Riverside of Uji

by B.Toriyama

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about

「近年、京都アニメーション作品に影響され宇治市に聖地巡礼を重ねるうちに、現地そのものに魅了され、「この景色を音に収めたい」と胸に抱く様になりました。
写真や動画、あるいは京アニ作品のブートレグに収めるのも良いですが、ここの空気の美味さは収めきれないでしょう。音にすることでいつでもその間宇治に帰れると思いました。
2019年11月にフィールドレコーディング後、暫く音源や制作に手つかずのまま、時勢は思わぬ方向に進み、遠い場所が更に手の届かない遠くへと離れていってしまいました。ようやく2020年3月に全ての収録曲を完成致しました。
この作品はアンビエントミュージックとして、リラックスした環境で楽しんで頂けますが、特に、このご時世で行きたくても行けない、帰りたくても帰れない、そんな方々の元に寄り添えられれば幸いです。」

Produced by B.Toriyama
twitter.com/STUD10IO5

Location Recording at Uji City, Kyoto(2019.11.05-06)

Photograph by fuamai!
twitter.com/fuamai3

俗世さえも遥かに超克した静謐さのなかで、途方もない情念の渦が底流し、個々のプシュケの向かうべき場所へと駆り立てる、どこまでもエニグマティックなアンビエント・ミュージック。そして、近い将来、元通りになることはない新たな世界の到来を覚悟し始めた、貴方や私にとってのグリーフワークの一環とも言える。

京都の宇治の風靡な景色や澄んだ空気、そこに息づいた思い出や郷愁、必然性をリアリスティックなアンビエント・サウンドへと落とし込んだB.Toriyama氏の本作は、OMOIDE LABELから放たれた170を超える作品たちの中でも数少ないフルレングスであり、同氏にとっても間違いなく集大成的な一作となる。

デトロイト・テクノ/シカゴ・ハウス/イタロ・ディスコ/エレクトロニカなどに対するToriyama氏の憧憬と愛慕をバックグラウンドに、Aphex Twin「Xtal」やJohn Beltranなどに代表されるアンビエント・テクノのドリーミーな音響や心象風景から、Tangerine DreamやManuel Göttschingといった70 ~ 80sのジャーマン・エレクトロニクスが持つコズミック/メディテーティヴな魅力、夜長のクラブ・ハウスのトランシーな世界、そして彼の愛してやまない「京アニ」に対する深い情念までもがパッチワークされ、底知れず深遠にして、オーガニックなアンビエント・ミュージックの風雅を香らせる。

ここではないどこかへと向かおうとする、壮大な意識の流れの中にありながらも、狂おしくノスタルジックな感情にも包まれる稀有な響きが聴き手の心を掴んで離さない。既に私たちは超常的なストーリーの中にいる。過去と現在、未来さえも行き来する約2時間ものサウンドスケープの中で、貴方は様々な風景と出会う。幾重にもレイヤーされたシンセサイザーのミニマルな音場へと記号化された宇治の景色は、現実の場を離れ、この作品に触れる個々の記憶の中で新たなパートを担うこととなる。

加速する未曾有の危機の中で、崩壊していく日常や理不尽な世界の変動を前にしようとも、彼/彼女たちが確かに生きた記憶、その息遣い、眩しすぎる蒼さ、葛藤する心模様、5時のサイレン、6時の一番星、それらはこの「Riverside Of Uji」(宇治の河畔)という、深いエモーショナルな引力のなかでより輝きを増す。

@telepath_yukari | Twitter twitter.com/telepath_yukari

credits

released April 24, 2020

OMOIDE 201 Riverside of Uji
Produced by B.Toriyama
Artwork by fuamai!
Released by OMOIDE LABEL
Catalogue Number : OMOIDE 201

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